封神演義と鬼哭街のクロスと言いますか、鬼哭街の世界に封神キャラがパラレル設定で出てくるシリーズで、警察官の道徳と裏の世界でなんかやってる太乙がやりまくるだけの話です。太乙さん襲い受けしてますが途中から形成逆転してます。
(くそっ、あんな化け物に叶うものか!)
携帯端末をポケットに突っ込みながら、道徳は曲がりくねった路地裏を背後も振り返らずにがむしゃらに走り続けた。所轄の警察への連絡は済ませたが、応援が来るまでの間、あのような殺人ロボットが居る場所で待っているわけにはいかない。脇の下の92式拳銃に残弾はとうになく、未だ残る銃身の熱をホルスター越しに感じる。
気がつくと背後からの足音と追跡者の気配は消え失せている。走りながら振り返ってもそこに広がるのは街灯も届かない薄闇に沈み込み、狭く薄汚れた路地だけだ。あと少し先に行けば大通りに出られるだろう。安堵と希望を覚えて前を向いたとき、突如として赤い髪の少年型アンドロイドが目の前に上から降ってきた。
(いつの間に……!)
気配も足音もなかった。一体どうやって先に回り込んだのか考える余裕はなかった。考えるよりも先に身体が反射的に動いていた。目の前の追跡者に回し蹴りを叩き込むべく道徳の足が大きく弧を描く。が、彼の渾身の一撃は対象に命中はしたものの、それがダメージを与えることはなかった。
(!?)
赤い髪の少年は左手一本で道徳の足首を掴み、蹴りを受け止めていたのだ。動いたのは左手だけで、彼の身体は降りた位置から微動だにしておらず、視線も道徳から外れてはいない。
(しまった……!)
少年は道徳の足を掴んだまま一歩踏み出すと、右の拳を道徳の鳩尾に叩き込んだ。避ける間もなく一撃を喰らった道徳の意識は直ちに闇の中に沈んでいった。
『よくやった、哪吒。殺さなかったろうね?』
路地裏で失神した刑事の前に立つ少年の人工脳を覆うチタンの頭蓋骨の中に、彼にしか聞こえないよう暗号化され電気信号に変換された音声が響く。哪吒と呼ばれた少年はその声に同じく電脳通信で応えた。
「ああ、意識を失わせただけだ」
『よし。すぐに車を回すから、人目につかないように待機しているんだよ』
「わかった」
それきり回線の向こうの声は沈黙し、そのまま通信は途絶えた。それからほとんど間を置かずに路地の入り口に車の止まる音がした。哪吒は目の前の男を抱え上げると、音のした方向に向かってそのまま歩いて狭い路地を後にした。
目が覚めたとき、道徳の視界に最初に飛び込んできたのは、見慣れぬ白い天井だった。
(どうやらまだ生きてるみたいだな……)
突かれた腹に息苦しさなどはない。どうやら内臓が破裂したりしている様子はなさそうだ。
周囲を見回すとそこはどこかのホテルの一室のようだった。圧迫感のある白い壁に囲まれた狭い部屋の大半を、広さに釣り合わない大きさのダブルベットが占めている。とにもかくにも道徳は身を起こそうとしたが、
「……?」
手足は何かに引っ張られたようにぴくりとも動かない。首を持ち上げて足の方を見てみると、ベッドの足側の左右の支柱からベルトのようなものが伸びて足首に巻き付いている。手の方も頭上で一纏めにされ、似たようなベルト状のもので拘束されているらしく、引っ張っても抜ける気配がない。自分が寝台の上で両手足を人の字に広げた状態で縛られていることに気がついた。
電通で助けを呼ぼうとしたが、電脳ネットにつながらない。何度接続を試みても視覚野に表示される電脳通信窓に出てくるのは、オフラインである旨を返答するエラーメッセージばかりであった。
「それ、結構しっかりしてるから簡単には抜けないよ」
部屋の入り口側から聞こえてきた声にはっとして顔を向けると、一人の若い男がこちらに向かって立っていた。
「あと、この部屋の近辺にジャミングをかけておいたから、電通で助けを呼ぼうとしても無駄だよ」
青年は微笑みながら言った。つややかな黒髪を肩まで垂らしたなかなかに整った顔の青年で、口元には獲物をいたぶるような笑みを浮かべている。道徳は首を持ち上げて彼を睨みつけると、低い声で詰問した。
「まず説明してもらおうか」
「何から?」
全く動じる様子もなく、青年がとぼけたような声で問う。
「君が誰で、ここは何処で、これから何をするつもりかだ」
「そういっぺんに質問するんじゃないよ。まあいい。一つづつ答えてやろう。私は太乙。まあちょっと表では言えないような仕事をいろいろとしている者だ」
太乙と名乗った青年は笑みを浮かべて言った。そして舌なめずりをしながらゆっくりと歩み寄る。
「それからここは上海旧市街にあるホテル。所謂ラブホテルというやつだから、多少声を上げても問題無いからそのつもりで。で、何をするつもりかだけど、その前に一つ」
そこまで言うとベッド脇まで歩み寄った太乙は、道徳の顔を覗き込みながら言った。
「さっきの戦闘、哪吒の目を借りて一部始終を見ていたけど、君、なかなかやるね」
「あの戦闘用アンドロイドをけしかけて玉柱幇のチンピラ数人を殺させたのは君か」
「そ。哪吒。私の最高傑作の人型兵器だ。攻撃モードの哪吒を前にして最後まで闘志を失わず、抵抗しようとする奴はそう居ないよ。その殺傷能力を目の当たりにした後だと尚更ね」
太乙はやはり笑みを浮かべたまま道徳の頬にそっと触れた。
「このまま刑事にしておくのは勿体ないね。どうだい? うちに来ない? それなりにいい待遇を用意するよ。あと私の情人になってくれると尚のこと嬉しい」
「生憎とそこまで落ちぶれてない」
「そんなに嫌?」
太乙が頬を撫で回す手を唇に移動させながら言った。道徳はその唇を歪め、吐き捨てるように答える。
「痩せても枯れても私は公安の人間だ。殺されたって犯罪者の犬は願い下げだ」
道徳が唸るように吐き捨てると、太乙は心外だというふうに肩をすくめた。
「やだなあ殺すわけないじゃないか。そんな勿体ないことする理由がない。まあでも、そっちが嫌なら……」
ベッドの上に身を乗り上げた。上着を脱ぎ去ると広いベッドの隅に置いてから道徳の身体に馬乗りになり、覆い被さる形になって顔を近づける。
「何をする気だ」
「折角だからお楽しみといこうじゃないか。あ、こっちは拒否権ないよ。これだけの上物を目の前にしてお預けなんて出来るほど、私は我慢強くないんでね」
「何を……んっ」
太乙は舌なめずりをすると、道徳の顔を両手で掴んでその唇に口付けた。予想外の行動に動揺して薄く開いた口の中に舌を差し入れ、思う存分に蹂躙する。一心に貪る太乙が喉から甘えたような声を漏らし、高く上げた腰をゆらゆらと揺らした。
「……っは、ぷはっ、おい、待て」
「待たないよ」
道徳から口を離した太乙はそのまま身を起こすと、道徳のシャツのボタンを上から一つ一つ外し始める。全て外し終わると道徳の胸板に顔を埋め、すんすんとその臭いを嗅いだ。そしてその乳首にちろりと舌を這わせ、軽く甘噛みする。道徳の総身にぞくりと怖気とも興奮による武者震いともつかぬ震えが走り、股間がぐっと硬くなった。
「……くそっ、止めろ、この変態」
「褒め言葉として受け取っておくよ」
手の拘束を外そうとがむしゃらに引っ張ったが、ベルトの拘束具はびくともしない。太乙はひとしきり乳首周りを舐め終わると、道徳のズボンの前に手を伸ばし、ベルトを外して前を寛げ始めた。
「……こりゃすごい」
下着の中から勢いよく飛び出してきた道徳の雄を見て太乙が感嘆の声を漏らす。それは半ば勃起した状態で既に20センチ近く届くかと思われる大物だった。太乙が興奮を隠しきれない顔でその業物をうっとりと眺める。
「おい、いい加減にしろ」
「こんな大きいの、そう滅多にお目にかかれるもんじゃない。しかも義体の人工ペニスならいざ知らず、一切の加工無しの天然物じゃないか……」
賞賛の意図を込めて道徳の逸物を掌で包み込み、まじまじと眺め込む太乙に対し、道徳は身をよじらせて抵抗するように言った。
「電脳化はともかくとして、義体化はまだしたくないんだ。いいからさっさと止めろ」
「止める? こんなの目の前にして止められると思うかい……?」
熱に浮かされたような茫洋とした顔で、太乙は道徳のペニスにしゃぶりついた。暖かい腔内に包まれて、道徳は思わずぞくりと身を震わせる。
「んう……あむ」
そのまま深く喉の奥まで咥え込み、喉の奥で亀頭のあたりをぎゅっと締め付ける。今まで味わったことのない心地よさに、道徳の雄がびくりと反応して更にその容積を増す。
「くっ……!」
「あむ……んぐ」
整った顔にうっとりとした表情を浮かべ、一心に己の巨大な逸物に奉仕するその姿は、道徳が今まで抱いてきたどんな女よりも欲情をそそるものだった。男を抱いたことなどはなかったが、今の道徳にとってはもはやそんなことは全く何の意味もないことだった。
やがて太乙は口を離すと、先ほどよりも更に一段と成長したその巨大な肉柱をしばし呆然とした目で眺めた。
「天然ものでこの大きさと弾力性……こんなものを受け入れたら一体どんなになってしまうのか……」
太乙は身を起こすと、もどかしげに己のベルトを外し、パンツごとズボンを脱ぎ捨てた。脱ぎ捨てたズボンのポケットから取り出したチューブからジェル状の潤滑剤を出して指に絡ませた後、濡れた指を身体の後ろに回して後孔に差し入れる。
「……んっ、くっ……」
道徳の足の上に跨った姿勢のまま、見せつけるように股間を突き出して己の尻穴をクチュクチュと音を立てて解きほぐす。その雄は触れてもいないのにしっかりと立ち上がって反り返り、物欲しさを示すようにひくひくと痙攣していた。
慣らすのもそこそこに、太乙は今一度道徳の雄にむしゃぶりついた。そして深く咥えたところでしっかりと吸い上げる。
「〜〜っ……!」
女の口であれば到底不可能な強力な吸い上げに、それだけで達してしまうかと思われた道徳だったが、すんでのところで留まった。太乙もその一吸いだけで口を離すと、脱ぎ捨てたズボンのポケットからコンドームを取り出して口に咥え、道徳の雄に装着した。次いでシャツと肌着も脱ぎ捨てて全裸になり、道徳の上に跨ると、尻穴にその切っ先をぴたりと押し当てた。そしてうっとりとした表情を浮かべたまま、ゆっくりと身を沈めていった。
「っくぅ……」
先端から順に絞られながら暖かい胎内に飲み込まれる感触に、道徳の頭は完全に真っ白になった。亀頭が完全に入ったところで、太乙はその腰を一気に引き下ろし、道徳の逸物を腹の中に一気に迎え入れた。
「っ……!」
「……! くぅう……っ」
衝撃に道徳の目の前が真っ白になる。続いて強烈な射精感。一瞬の後、道徳は一発目の射精を太乙の胎内に吐き出したことを知った。
「全部入ったよ……は、はは、もういってしまったのかい」
額に汗を浮かべ、荒い息を吐きながら恍惚とした表情を浮かべる太乙が嬉しそうに揶揄する。そしてその感触を味わうように肛門で引き絞るようにキュウと締め上げると、一度精を吐き出した道徳のそれは再び硬さと力強さを取り戻し、太乙の胎内でびくりと脈動した。
「ははっ……元気だね、出したばかりなのにもうこんなに元気になって……」
そして道徳の形にうっすらと盛り上がった己の腹を愛おしげに撫でさすり、やわやわと圧迫する。身体の外側から肉茎を刺激され、道徳はぞくりと身を震わせた。そのまま太乙は道徳に見せつけるかのように己の反り返った逸物を見せつけ、ゆっくりと腰を前後に動かし始めた。
「ん……くっ……」
足を大きく左右に広げ、腰をくねらせて淫靡な笑みを浮かべた太乙の姿を下から見上げるというのは、正直かなり視覚的に来るものがあった。
「ああ……いいよ、こんな大きいの、今まで味わったこともない……」
道徳の上で腰を振りながら、太乙が恍惚とした表情で声を上げた。一度たりとも手を触れられていないその雄は、しっかりと反り返ってひくひくと痙攣し、先端から涎をだらだらと垂らし続けている。
そうやって太乙はしばらくの間、道徳の腰の上で腰をゆっくりと動かし続けていたが、ふと何かを思い出したかのように動きを中断させる。そして先程脱いだ上着に手を伸ばしてポケットから何かを取り出した。
「おい、何をする気だ」
「折角だから記念写真でもと思ってね」
太乙が手にしていたのはデジタルカメラだった。自分撮りに適した機種らしく、背面の液晶部分が上に180度回転して正面に向けられるようになっている。電源を入れ、背面の液晶画面を回転させてレンズと同じ方向を向けると、太乙は腕を伸ばして液晶画面を見ながらカメラを構えた。
「おい、止せ……っ」
「はい、笑って笑ってー」
顔を隠そうにも、拘束された腕では身動きが取れない。太乙はカメラに向かって空いた手でピースサインを作り、しっかりとレンズに目線を向けてシャッターを押した。
「見なよ、よく撮れてるよー」
「くそっ、ふざけた真似をしやがって」
笑顔で液晶画面を向けてくる太乙に対し、道徳は悪態をついた。そこには下半身に道徳の逸物を咥え込み、腕を伸ばして上気した顔でカメラ目線を向ける太乙と、ベッドに縛り付けられて顔を歪めて抵抗する自分の姿が映っていた。
「じゃあ、記念撮影も済んだところでお楽しみの続きといこうか」
太乙はカメラの電源を切って枕元に置くと、尻穴を再びキュウと食い締めた。それにより萎えかけていた道徳の逸物が再び元気を取り戻す。
「くっ……!」
「ああ……はあ……」
太乙は今度は後ろに手をつき、上下の動きを加えてきた。視覚的効果も相まった今まで味わったことのないような快楽に、拘束された道徳の顔が歪む。太乙の秘所は、今まで経験したどんな女のそれよりも気持ちのいい肉壺だった。
「気持ちいいよ……もっと私をメチャクチャにして……」
恍惚とした表情を浮かべた太乙が、道徳を拘束する足枷のマジックテープを外し、次いで手を拘束している拘束具を外した。解放された道徳は体位を変換させ太乙を身体の下に組み敷くと、がむしゃらにその腰を打ち付ける。
「ああっ……! これだ……っ! これこそ私が待ち望んでいた……っ!!!」
組み伏せられて犯され、太乙は臆面もなく大きな声で喘ぎ声を上げ続けた。道徳は無我夢中で腰を打ち付ける。限界までに大きく育った凶器のような逸物が太乙の後孔を抉り、性器と化したその孔を容赦なく穿つ。組み伏せられてしっかりと抱かれた太乙はその手足を道徳に絡みつかせ、激しく声を上げ続けた。
「くぅっ……! あああっ……はあぁぁぁぁっ……!」
道徳に折れんばかりに抱きすくめられ、背中を反らせて絶叫する。道徳に激しく突かれながら、その男根に一度も触れられることのないままに太乙の先端からびゅる、びゅるっと粘性のある液体が飛び出して太乙の腹を汚した。
「くうぅっ……!」
その引き締められた後孔にぎゅっと絞り取られ、道徳も堪らず太乙の胎内の奥深くで射精する。彼らは二人とも狂ったような勢いで互いの肉体を貪り合い、長い長い時間をかけて果て合った。
「フゥ……フゥ……フゥ……」
「はぁ……はぁ……あはぁ……」
達した二人はしばしの間息も絶え絶えに互いの身にすがり着いてその余韻を貪るように茫洋としたまま快楽の波間に身を任せていた。やがて一足先に我に返ったのは道徳の方であった。
この雌のような男は自分を拘束して思うがままにいたぶった末に絶頂し、今己の下で快楽の残滓に喘いでいる。そんな者をそのまま放っておけるほど道徳の正気は元に戻ってはいなかった。このままでは済ませられない。この男をもっともっと手酷く抱いて支配してやりたい。そう思い至った道徳は太乙の両手をまとめて頭上に上げ、先程まで己を拘束していた寝台のヘッドボードから伸びているベルトの端を掴むと、太乙の手首に手枷をはめ、マジックテープをしっかりと巻き付けた。
「え……?」
未だ正気を取り戻していない太乙が焦点の合わない目でこちらを見上げてくるが、その時には既にもう時遅しであった。道徳は太乙の足を大きく広げると、その奥で未だぱっくりと口を開けたままの彼の雄孔に己の逸物を深く深くねじ込んだ。
「あぁぁあぁあああああっ……!?」
不意にねじ込まれた規格外の猛りに太乙が拘束された身を反らし、大きな喘ぎ声を上げる。己の現状を認識し、慌てて両手の拘束に気付いたようにもがくが既に時はもう遅い。道徳は太乙の竿を握り込むと、その手を上下させつつ、挿し込んだ己の巨根を容赦なく彼の肉壺の奥深くまで叩きつけるように抽挿した。
「ひぃっ! くふぅ……っ! んあぁぁぁっ!」
脳味噌の許容量を超えて与えられる過度の快楽に太乙が泣き叫ぶような嬌声を漏らす。だが道徳にはそれを許してやる気などさらさらなかった。
「んうっ! くっ! ふぐぅっ……!」
突き上げられて喘ぐ彼の口を容赦なく己の舌で塞いでやると、太乙の両眼からぼろぼろと大粒の涙がこぼれ落ちた。その涙に益々嗜虐心を煽られて口を塞いだまま突き上げてやると、彼はぎゅっと目を閉じて呻き声を上げながらその眦から大粒の涙を流し続けた。
「んうーっ……ふうぅーっ……」
真っ赤な顔で涙を流しつつ苦しげな声を漏らす太乙であったが、流石にこちらも息苦しさを感じてきたので口を離してやる。すると完全に焦点を失った目で虚空を見つめたまま短くはっ、はっ、と息を吐いてきた。
道徳はそこで一旦身を離し、身にまとわりつくシャツやズボンを脱ぎ捨て全裸になった。それから先程付けられたコンドームも外すと、太乙の胸の上に跨るような形で馬乗りになった。そして怒張した股間のそれを太乙の口元に突きつけ、前髪を掴んでその口内に押しつけた。太乙は一瞬固まったが、構わずに口の中に押し込んでやる。
「あむ……うぐ……」
そのまま抜き差ししてやると、太乙は苦しそうな顔をしながらも口を大きく開いて道徳のものを口の奥まで受け入れた。道徳は太乙に馬乗りになった体勢のまま、彼の口を犯し続けた。
「くっ……」
しばらく太乙の口を犯した後、絶頂が近くなった道徳は一旦彼の口から逸物を引き抜くと、太乙の目の前で竿を扱き上げ、三度目の精を放った。精液は太乙の顔や前髪に満遍なく飛び散り、その顔を白く汚した。
「は……ははは、人のこと変態とか言ってたけど、君もなかなか負けず劣らずじゃないか……」
自らの涙や唾液と道徳の精液でドロドロに汚れた顔のまま、太乙が減らず口を叩いた。もう一度口の中に突っ込んで黙らせてやろうかと一瞬考えたが、代わりに元の位置まで後退する。太乙の足を上げさせた状態で腿だけをぴったり閉じさせると、その間に萎えかけた逸物を差し入れ、出し入れするように摩擦し始めた。
「なんだ、素股なんてしなくてもすぐそこに気持ちのいい穴があるだろうに……」
玉のすぐ下をこすられながらも減らず口を叩いてくる太乙に対し、道徳は擬似的な抽挿を続けながら言い返した。
「お望み通り、言われなくてもすぐぶち込んでやるよ……っ」
そう言うと太乙の足を大きく開き、再び怒張した逸物を一気に挿入した。
「かはっ……!」
縛られた太乙が背を仰け反らせて喘いだ。しっかりと緩みほぐされた尻穴は全くの抵抗はなかったが、奥のS字結腸に道徳の逸物が当たった衝撃で意識が飛びかけたらしい。その衝撃から覚めやらぬうちに道徳は逸物をギリギリまで引き抜き、再び太乙の身体の奥深くにまでねじ込んで蹂躙する。太乙はぎゅっと目をつぶり、すすり泣くような喘ぎ声を漏らした。
ふと道徳は思いついて、先ほどベッドサイドに置かれたデジタルカメラを取り上げた。大きく足を広げて己の逸物を咥え込む太乙にレンズを向けてやると、涙と精液にまみれた顔に笑顔を浮かべてカメラに目線を向けてきた。反応に若干当惑しつつそのままシャッターを切る。そのまま小刻みに突き上げてやると、小さくあっあっと声を上げて喘いだので、そこもカメラに納めてやった。
「意趣返しのつもりかい? だったら残念ながら意味ないよ。仮にネットにバラ撒かれたとしても今更だし、顔なんて義体を変えればいくらでも変えられる」
「しないよ、そんなこと」
正直、道徳にも写真を撮ってどうこうするつもりはなかった。写真を撮ったのはそこに丁度カメラがあったからという理由にすぎないし、第一、ネットにハメ撮り画像をバラ撒くなど犯罪行為を行うつもりはなかった。
道徳は電源を切ったカメラをサイドテーブルに戻すと、太乙の足を抱え上げ、再び男根を深く突き入れ、抜き出す行為を再開し始めた。
「あっ、ああああっ、あああっ」
拘束されて身動きとれない身体を捩らせ、太乙が大きな嬌声を上げた。掘り進めながら性器を握り込み、親指で鈴口をぐりぐりとこすり上げてやると、裏返ったような声で啼いた。
「あ……や、ああぁ……っ」
過剰な快楽から無意識のうちに逃れようとしているのか、腰を引かせているが、道徳はそれを許さず片方の手でしっかりと太乙の腰を捕まえて掘り続け、尿道口をくにくにと愛撫し続けてやった。
「ひ……あ……ああああ……っ!」
そこから太乙が達するのにさほど時間はかからなかった。頭上で縛られた手をぎゅっと握りしめ、背をのけぞらせて己の腹に白濁をぶちまける。
そこからは道徳も太乙の雄から手を離し、両手で彼の細い腰を掴むと欲望の赴くままに己の腰を打ち付けた。達したばかりの太乙は焦点の定まらぬ目で放心状態となり、道徳のなすがままに激しい打ち付けに身を委ねている。
そして道徳もさほど時間をおかずに達し、太乙の胎内奥深くに子種を注ぎ込んで果てた。
「ふぅ……」
流石に四度も出したとあっては道徳も疲れ果てた。大人しくなった息子を太乙の孔から引き抜くと、彼の隣にうつ伏せになった。
枕に顔を埋めたまま、隣で横たわる太乙の腰を抱いてやる。息も絶え絶えに胸を上下させているのが腕の感触を通して伝わってきた。このまま寝てしまうわけにはいかないが、もう少し休んだら自分の所属する署まで連絡を取り、彼を路地裏での件の重要参考人として連行しよう。枕に顔を伏せたまま、事後の眠気に抗いながらとりとめもなくそう考えていた道徳は、太乙がいつの間にやら手首を捻って拘束を抜け、枕の下に手を伸ばすのに気付かなかった。
「うっ……」
太乙が自分の首の後ろに手を回したのに気付いて反射的に彼の方を見た瞬間にはもう遅かった。視界にノイズが走り、手足が感電でもしたかのように痺れて動かなくなる。そこから何が起こったのかも理解出来ないまま、勝ち誇ったような笑みを浮かべる太乙の顔をその視界に焼き付けたまま、道徳の意識は闇の中に沈んでいった。
道徳の首の後ろのコネクタに電脳錠をかけた太乙は、気を失った彼から身を離すと左手を拘束するハンドカフのマジックテープも外し、浴室に向かった。素早くシャワーを浴びて自分の顔や身体を清め、中で出された精液を処理する。バスタオルで身体を拭いてから備え付けのハンドタオルを持って寝室に戻ると、汗や付着した体液を拭って掛け布団をかけてやる。それから服を着て身繕いを済ませると、部屋のすぐ外のエレベーターホールで待たせていた哪吒に電通越しに呼びかけた。
『哪吒、入っていいよ』
間もなく扉の前に気配がしたので太乙が開けてやると、哪吒が入ってきた。扉を閉めると、太乙の腰の辺りに抱きついてすんすんと匂いを嗅ぐ。
「ん? どうしたの」
「貴様の身体からまだそいつの匂いがする」
「まだ匂い残ってるかい?」
そう言って自分の肩口に鼻を向けてふんふんと匂いを嗅ぐ。哪吒は太乙から身を離すと、部屋の奥をじっと見た。ベッドの上では先程と相変わらず道徳が眠っている。哪吒は相変わらず無表情のままだが、その目が分からないぐらい微かに細められる。
「気に喰わん。俺の匂いで上書きさせろ」
「はいはい。でも帰ってからね」
クローゼットの中に隠しておいた道徳の上着とホルスターに入った銃を取り出してテーブルの上に置きながら太乙は言った。それから再度ベッドの脇に行き、道徳の首の後ろから電脳錠を抜き取った。気を失っている彼はそれでも目を覚ますことはない。あと一時間はこのまま眠ったままだろう。
次いでサイドテーブルに置いてあったデジタルカメラを手に取った。メモリーカードを抜き取って自分の携帯端末に挿入し、画像を確認して端末にコピーすると、端末から再びメモリーカードを抜き取ってホルスターの横に置いた。そして道徳の寝顔を一瞥してかすかな笑みを浮かべると、踵を返して扉の近くで待つ哪吒の元に向かった。
「お待たせ。帰るよ、哪吒」
そして哪吒を伴い、太乙は部屋の外に立ち去った。後には相変わらず気絶したまま眠り続ける道徳だけが残された。
道徳が目を覚ました時、そこに太乙の姿は既になかった。体液などもきれいに清められており、最初から道徳以外誰も居なかったかのように全ての痕跡が消え去っていた。上着と銃もそのままベッド脇のテーブルと椅子の上に置かれており、ポケットの中の携帯や警察手帳なども無事で、財布にも手が付けられた痕跡はない。
「……これは?」
テーブルの上をよく見ると小さな何かが置いてあった。デジタルカメラのSDカードだ。手持ちのスマートフォンのカードスロットに差し込んで電源を入れ、カードの中身のデータを確認すると、果たしてそこに保存されていたのは最中に撮られた写真だった。ベッドに縛り付けられた自分の姿と、その上に跨り腕をいっぱいに伸ばした太乙の姿が映っている。道徳の逸物を後孔に咥え、裸の身体と恍惚とした表情を余すことなく晒し、カメラにしっかりと目線を向けている。
更にカメラロールを進めると、最中に自分が撮った写真もそこには残っていた。両手を拘束され、足を大きく開いて肛門に男根を咥え込むあられもない姿を晒し、精液にまみれた顔で目線をカメラに向けている。カメラロールをフリックしてめくると、写真の中の太乙が声なき喘ぎ声を上げていた。
「……」
道徳は液晶画面を見つめたまま、しばし考え込んだ。他の痕跡はきれいに消している以上、どうやら置き忘れたりしたようではなさそうだ。これで脅迫するつもりはないという意思表示だろうか。
「いや、バックアップを残していないとは限らないしな」
撮ったカメラと記録媒体をこうやって残しているとはいえ、いくらでも複製可能なデジタルデータのこと、相手が手許にコピーを残している可能性はいくらでもある。道徳はしばし考え込んだ後、データを消すのをやめて携帯を上着のポケットに放り込んだ。まさか悪用されたりするとは思えないが、とりあえずこのSDカードと中身のデータの扱いは保留にして後で考えよう。そう考えつつ上に報告する際、今夜のことをどういうふうに説明したものか頭を悩ませながら、道徳はホテルの狭い部屋を後にした。
《続》